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トランプ氏を支持する人たちは、日本で働いてみればいいと思う

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photo credit: BobboSphere Nov 9 2016: Thousands gather in downtown Chicago to protest Donald Trump via photopin (license)

 

こんにちは。てけです。 

 

 

今更感がありますが、次期アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプ氏が決まりました。

 

トランプ氏が決まった時、僕は「アメリカ人が心の中で溜め込んでいた思いが、一気に爆発したんだろうな」と思いました。アメリカでは人種差別が未だ根強いという、アメリカにとっては最大の恥部を全世界に向けてさらけ出してしまいました。

 

僕が好きな州である、カリフォルニア州ニューヨーク州ハワイ州はリベラル層が多いので、ひとまずホッとはしたものの、これから最短でも4年間は、白人以外のマイノリティにとって、生きにくい時間になるのかもしれません。

 

ニューヨークで大学教授をしている知り合いが、選挙の後、「がっかりだよ!あの日はアメリカのもっとも汚い部分を全世界に発信してしまった恥ずべき日だ。」とメールをくれました。

 

なんということだ。

 

トランプ氏を支持しているのは、圧倒的に白人層です。アメリカでは、確かに、採用や入学時の選考には、マイノリティ枠や外国人枠、LGBT枠 (同性愛者や両性愛者、性同一性障害と行った性の面でマイノリティの方たちに対する枠) があり、マイノリティが優遇されているように、白人の方々には映るのかもしれません。しかし、白人優位社会を作り、マイノリティを排斥したところで、アメリカが良くなるとは思えず、どうしたら効果的にこのことを伝えられるだろうかともやもやしていました。

 

そんな時、僕はある方と電話をする機会がありました。電話の相手は大手総合商社の元部長さんで、各国を渡り歩いて様々な商品を調達してきた経験を持つ方でした。僕のメンターの一人です。その方とアメリカ大統領選の話になった時、涙を流しながら大笑いしていることが電話越しにわかるほど笑っていました。そしてこう言いました。

 

ホンマな、わらけてくるわ。こっちは単一民族国家の日本でな、こんなに生きにくい生きにくいってやってる傍で、アメリカが必死にオレらの世界を目指して走ってくるんやから。アメリカ人も日本のサラリーマンみたいに飲み屋で愚痴こぼし始めるんとちゃうか?なんで今鎖国やねん。日本は鎖国みたいなことしているから生きにくいのに。オレからしたらアメリカの方が個性出せると思うし、努力したらチャンスくれるし、働くにはええ国やと思うねんけど…。

 

ハッとしました。同時に僕も大笑いしてしまいました。

 

アメリカが日本化する。これは本当にアメリカ人を幸せにするのだろうか…と。

 

日本化するアメリカ

トランプ氏が統治を始めた場合、アメリカは日本に近づいていくでしょう。しかし、アメリカが理想とするであろう単一民族国家の雄、日本の現状は、どうでしょうか。生きやすい社会なのでしょうか。

 

単一民族国家になった場合、差別はなくなるでしょうか。皆が平等に扱われるのでしょうか。答えはNOです。人間は、競争本能がある限り、差別を完全には無くせないのです。現に、アメリカでは、異なる人種間の差別以上に、白人間の差別がものすごいです。髪の色、目の色、宗教、先祖の生まれた国、学歴、親の職業などなど、同じ人種の中でも差別は根強いのです。

 

そしてこのことは、日本でも同じです。白人以上に単一民族な日本人の中でも、差別は凄まじい。トランプ氏は、日本を真面目に観察すれば、単一民族国家の中でも差別は根強いことに気づいていただけると思います。そうすれば、外国人を締め出し、マイノリティを締め出して単一民族国家にしても、結局残った人たちの中で差別が大きくなるだけだとわかっていただけるのではないでしょうか。

 

また、アメリカではうまくいかないことがあると、「差別されている」と言って通ってしまう社会でもあります。それは多民族国家だからです。しかし単一民族国家になれば、同じ人種ですから、人種では「差別されている」とは言えません。すると、「うまくいかないのはあなたの能力のせい」とか「自己責任」いう人が増え始めると思います。そちらの方が、人種で差別されるより、何倍も辛いですよ。

 

そうなれば、アメリカでも自殺者が増えそうです。「差別する対象がある、差別されていると言える」のは、ある意味精神衛生上、逃げ道にもなっていて、それが今まで、中流階級・下流階級の白人を支えていたとも言えるのです。その逃げ道がなくなれば、どうなるか。「あなたは白人なんだから、人種では恵まれているのにこのザマはなんだ!」と罵られたりするのではないでしょうか。そちらの方が辛くないですか。

 

さらに、個性も出せなくなっていくでしょう。白人社会の中でも上流階級の白人が定めた「常識」が増え始め、日本人のように、「そんなものは常識」という人が増えるでしょう。ちっぽけな世界の、相対的な基準で決められた「常識」から外れたマイノリティたちが、どんどんと、より良い外の世界に逃げていきます。転職と同じで、優秀な人もこの時、たくさん逃げてしまうでしょう。

 

そうして、白人以外の人種を排斥した後は、白人の中でも、下等とみなされ得る人たちを社会が勝手に作り、排斥していくでしょう。白人の中でも、イスラム教などの宗教を信仰する人たちを排斥していくでしょう。その次は…と続き、最終的には、誰もいなくなってしまうでしょう。

 

そうなったら、労働人口が減り、仕事の絶対数が減り、一人当たりGDPも減り、アメリカは一気に衰退してしまう可能性もあるのではないでしょうか。高齢化が加速し、一人当たりGDPが先進国の中でも低い日本 (2015年で26位、1位のルクセンブルクの3割ほど、5位のカタールの半分ほど、7位のアメリカの6割ほどしかない) のような状態になってしまうのではないでしょうか。

ecodb.net

 

 

トランプ氏を支持する人たちは、日本で働いてみればいいと思う

このように、多民族国家を嫌悪し、単一民族国家を目指そうとした時、様々なデメリットが想像できてしまうので、僕は、アメリカで保守的な方々には、"ほぼ単一民族国家"である日本で働いてみてほしいと思っています。日本で、以下のことを感じてみてほしい。

 

  • 単一民族国家なので、日々、頭を使わずに「常識」と言ってあらゆることを正当化しようとする人たちに悩まされることになります。
  • 「強制じゃないけど、空気読もうか」という感じで、単一民族であるだけで、強制的に何かをしなければならなかったり、皆同じ行動をして当然だったりという空気の中で生きていくことになります。
  • 単一民族国家なので、出世レースの結果は全て「自己責任」と言われてしまう辛さを感じてみてほしいです。「みんな同じ。出世につながる努力ができていない、あるいはしていない、あなたが悪いんでしょ?」と言われるのって、本当に辛いと思うんですよ。

 

「自分の人生を他人に指図されることを嫌う」人が多いアメリカ人には、耐えられないのではないでしょうか。単一民族国家に向けて舵を切ることは、アメリカが日本のようになっていくことです。せっかくいい単一民族国家の見本が太平洋の向こうにあるのですから、アメリカの皆さんは、まず日本に"インターン"してみてはいかがでしょうか。

 

 

アメリカはむしろ、多民族国家の見本になってほしいと思う

僕は、アメリカにはあまりにも多くの外国人が来すぎていて、外国人が所構わず外国語で話しをしていたり、勝手に自分たちの文化を盛り込んだ街を作ってしまったりしているために、困っていることも理解していますし、外国人に仕事を取られていて、もともとアメリカにいる人たちが働きづらい状況があることも、本当に理解しています。日本で同じことをされたら、不快に思う時もあるのは間違いないです。

 

「アメリカにいるんだったら、英語を話せ。」「アメリカには、英語を話せる人だけ移民してほしい。」こう言った意見は、僕は賛成です。

 

しかし、アメリカの経済は、白人によって発展してきたわけではありません。たくさんのアジア系の移民、インド系の移民、アラブ系の移民、黒人の移民などなど、様々な人種の人たちも、アメリカの経済を強力に育ててくれたことは、忘れてはいけないと思うのです。

 

シリコンバレーイノベーションのタネが日々掘り出され、育てられているのも、たくさんの移民のおかげでもあると思います。

 

その証拠に、カリフォルニア州ニューヨーク州ハワイ州など、「アメリカの発展には、白人もマイノリティも両方深く関わっていることを認識し、教育されている」人たちは、トランプ氏を支持していない人も多かったです。アメリカの歴史を正しく学び、幼い頃からたくさんの人種と接する機会に恵まれた人たちは、多民族国家に対して肯定的な人が多いと思います。人種差別をする人間は、自分以外の人種について「知らない」のです。だから、「怖い」のです。

 

edition.cnn.com

 

そして僕は、アメリカに行って、「常識」に縛られない開放感、他者を受け入れることの大切さ、そして個人がありのままでいられる自由のありがたみを知ることができました。なので僕は、アメリカには、自由や多様性のロールモデルになってほしいと思っています。

 

 

日本は、ちっぽけな常識をぶっ壊される経験をもっと積むべきだと思う

もちろん、日本のように単一民族国家にもいい点はたくさんあります。お互いに分かり合いやすいのは事実だと思いますし、電車やバスなどで、あれほど密着してもまあ平気でいられるのも、単一民族国家だからだと思います。バックグラウンドがほぼほぼ同じなので、話していてもストレスは少ないですし、食べ物も、日本人の口に合うかどうかだけ考えればいいので、大きなハズレがないですし、お互い親しみやすいので、お互いを助け合いやすい土壌が日本にはあります。

 

しかし、日本には、「常識」という厄介なものがあります。常識というのは、本当にちっぽけな世界でしか通用しないことを、日本人はもっと知る必要があります。同時に、「常識」によって行動を判断するのではなくて、自分の「信条」によって行動を判断するような日本人がもっと増えてほしいと切に願っています。

 

そして、常識というものがいかにもろいかを知るには、海外に放り出されるのが一番いいと思います。日本の常識に従って振舞って、クスクス笑われたり、「変だぞお前」と言われたりしないと、常識を信じるという常識からは逃れられない気がします。

 

 

まとめ - アメリカは今の状態だからこそ世界第1位の経済大国なわけなので、そのままがいいと思う

僕は日本人なので、大統領の選挙権はありませんし、クリントン氏もFBIの調査をうまくかわしていたりとちょっと権力者の闇を感じた部分があり、国民の味方として信用できるかは疑問です。なので、どちらの候補がより良かったのかをここでは論じるつもりはありません。しかし、アメリカでヘイトクライムがここ最近立て続けに起きているのを見て、「差別は国家人口が1人になるまでなくならないよ」というメッセージだけは伝えたくなりました。

 

アメリカは、今の状態だからこそ世界のトップなのです。今の状態だからこそ、世界の優秀な人材をこぞって囲い込むことができているのです。本当に単一民族国家を目指すなら、日本を見てみてほしい。日本のいい面と悪い面を両方見て、それから考えてみてもいいのではないかと僕は思います。

 

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