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なにかが入って、なにかが出る

カガク (化学・科学) 、留学、資格など、経験談を気ままに発信していきます

水道の蛇口から出る水にも、化学工学が隠れています

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こんにちは。てけです。

 

 

水道の蛇口をひねると、水が出てきます。毎日、誰もがよくみる現象ですよね。ただ、この水の流れ方について、注意してみている人はあまり多くないかもしれません。今回は、蛇口から出る水に隠された、化学工学の法則を紹介したいと思います。

 

 

蛇口から水を出してみましょう!流れが変わったことに気づきましたか?

 

一般的な蛇口の水を出そうとするとき、少しだけひねると、水は蛇口から洗面台までをつなぐ柱のように、綺麗に流れていきます。その状態から、水の流れを観察しながら、だんだんと蛇口をひねって、水をたくさん流してみましょう。

 

すると水は、最初は一本の柱のように綺麗に流れていますが、だんだんと、下流の方から、バシャバシャと荒れ狂った流れになってきませんか。蛇口に近い方は綺麗に流れています。しかし、洗面台に近い部分は、バシャバシャと音をたて、お世辞にも綺麗とは言えない流れになっています。

 

蛇口を最大限にひねって、水の流れを最大にすると、もう蛇口から出た瞬間にバシャバシャです。水は四方八方に飛び散り、もう大変です。

 

…さて、ここで考えてみてください。なぜ水の流れが少ない時には、蛇口から出た水は、綺麗な柱となって流れたのでしょうか。なぜ水の流れが多くなるにつれて、水の流れがバシャバシャとなっていったのでしょうか。そして、ある水量では、柱のように綺麗に流れている部分と、バシャバシャと流れている部分が共存していませんでしたか。

 

その境界線は、「層流」と「乱流」の境目です

「層流」とは? - なめらかな、規則正しい流れです。

化学工学では、綺麗な柱となって流れている水のように、物体が規則的に流れている状態を「層流 (laminar flow)」といいます。日常生活で言えば、空いているエスカレーターでしょうか。人々がまばらに乗ったエスカレーターは、一定のスピードで、なめらかに流れています。

 

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<穏やかな川の流れのような層流 (左) は、空いているエスカレーター (右) と似ています。規則性があり、なめらかに流れています。>

乱流とは? - 流れに規則がなくなり、渦を巻き始め、乱れ始めます

ここで、水道の水を、よりたくさん流してみましょう。すると、だんだんとバシャバシャと、滑らかさのない流れに変わっていきます。この状態を、化学工学の世界では、「乱流 (turbulent flow)」といいます。エスカレーターの例を出せば、だんだんと人の数が増えてくると、エスカレーターが混み始め、エスカレーターを歩く人や走る人が出てくるような状態です。そして肩や荷物が当たったりして、少しずつ規則正しさや滑らかさがなくなっていきます。

 

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<ジャバジャバと流れる川のような乱流 (左) の状態は、混んできたエスカレーター (右) と似ています。流れに規則性がなくなり、慌ただしく、乱れが出てきます。>

 

乱流を極め、乱れまくるとどうなる? - もうぐっちゃぐちゃです

乱流の状態に一旦入ると、流れの勢いが上がり続ける限り、乱流のままです。水道の流れでいえば、まさしく蛇口を出た瞬間からバシャバシャと流れている状態ですね。僕たちの生活の中で例えれば、完全な乱流は、お正月で見かける福袋セールの時の開店ダッシュのような感じでしょうか。みなさん一心不乱に走っています。荒れ狂っています。乱れまくっています。 お祭りの時もそんな感じです。人々の動きに規則はなく、周りに押されながらかき回されるように動きます。乱流では、水の流れの中に、さらに小さな流れがたくさん起きていて、水はかき回されながら流れています。

 

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 <滝のように、大量の水が短期間に流れているときには、さらに強い乱流 (左) の状態になります。もうぐっちゃぐちゃです。まさしくお祭りの時のような状態 (右)です。>

 

僕たちの日常生活で出てくる流れは、ほとんど乱流です。なので、化学工学の世界で乱流についての研究は、重要な研究と位置付けられています。まだまだ奥深い世界が広がっているんですよね。僕たちの生活は、ほとんどが規則のない、ぐっちゃぐちゃな世界でできています。液体の流れも、僕たちの生活も、たくさんのカオスから成り立っているんですよね。

 

規則正しい流れの「層流」と、ぐっちゃぐちゃな流れの「乱流」は、いつもあなたのそばにいます

化学工学は、水道の蛇口をひねるだけでも、その存在を感じることができます。本当に、本当に身近な存在なんですよ。

 

皆さんがよく見かける光景にも、専門的な名前がついていて、なぜそうなるのかのメカニズムが説明されていたりします。 もしあなたが今日蛇口をひねるときに、「層流」と「乱流」の存在を思い出してもらえたら、本当に嬉しいです。

 

 

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