なにかが入って、なにかが出る

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ダイエットに、「なにかが入って、なにかが出る」考え方が使えるかも

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こんにちは。てけです。

 

以前の記事で、ブログのタイトル「なにかが入って、なにかが出る」という言葉の原点についてお話ししました。物質収支 (mass balance) とエネルギー収支 (energy balance) の話でした。

 

arts-and-sciences-in-society.hatenablog.com

今回は、物質収支の考え方を使って、ダイエットを考えてみたいと思います。

 

そもそも物質収支 (mass balance) ってなに?

物質収支というのは、「ある時間内に、なにかが入って、なにかが出て、なにかが生まれて、なにかがなくなった後には、何かが残る」 という考え方です。つまり:

 

ものの時間内での変化量 = ものの流入量 - ものの流出量 + ものの生成量 - ものの消費量

 

からできる式を使って、家計簿をつけるように、収入と支出の釣り合いを考えるように、モノの質量の移り変わりを考えていくことです。

 

このように書くと、難しく聞こえるかもしれません。しかし、皆さんの日常生活でも、物質収支の考え方は、よく使われているんですよ。

 

ダイエットに使える? 化学工学の知識

ダイエットでは、体重を落とすために

 

  • モノを食べない
  • 運動をする

 

の2つがよく知られていますね。これらの方法は、物質収支の考え方からいえば、正しいのです。

 

  • 「モノを食べない」場合

「モノを食べない」とき、人間の体には、入っていくモノがありません。しかし、人間は絶えず、いろいろなモノをいろいろな穴から出しています。そして、何も食べていなくても、人間の体の中では、いろいろなモノが合成され、そして消費されています。単純化するために、体の中では栄養分のみが合成され、栄養分のみが消費されるとしましょう。すると、ここでもし、体の中で生まれる栄養分の量が、体の中で消費される栄養分の量を上回れば、人間はスーパーマンです。飢餓という概念がどこかに吹っ飛んでしまいます。光合成人間みたいな感じです。

 

そのような夢物語が将来現実になるかもしれませんが、現在は、体で消費される栄養分の量の方が、体で作られる栄養分の量を上回るので、時間がたてばたつほど、体の中の栄養分は消費され、減っていきます。

 

なので、物質収支の式を使うと

 

時間内での体重変化量 = モノの流入量 - モノの流出量 + モノの生成量 - モノの消費量

時間内での体重変化量 =           0           -  排泄物の量   +            (0より小さい数)

時間内での体重変化量 = (0より小さい数)

 

となります。つまり、時間がたてばたつほど、モノは減っていく。体重は減っていくということになります。

 

  • 「運動をする」場合

「運動をする」場合には、モノを食べることで体の中に取り入れ、いろいろなモノを体から出す働きはそのままです。しかし、運動によって、体の中にある栄養分を、エネルギーとして意図的に消費しています。この場合、体の中ではいろいろな栄養分が合成されてはいるものの、それを大きく上回るスピードで栄養分が消費されていきます。

なので、物質収支の式を使うと

 

時間内での体重変化量 = モノの流入量 - モノの流出量 + モノの生成量 - モノの消費量

時間内での体重変化量 = 食べたモノの量 - 排泄物の量 + 体が作り出す栄養分の量 - 体が消費する栄養分の量

 

となります。ここで、運動をたくさんすれば、体はたくさんの栄養分を消費します。すると時間内での体重変化量が0より小さくなります。すると結果的に、体重は減っていきます。

 

しかし、もし運動で消費するモノの量を上回る量を食べてしまった場合、時間内での体重変化量が0より大きくなりますので、いくら運動をしても体重は増え続けることになります。

 

また、便秘気味の場合、排泄物の量が減りますので、体重は減りにくくなります。快便だとスッキリ、なんか体が軽くなる気がすると思いますが、実際に軽くなっているのです。

 

このように、ダイエット中になぜ体重が増えたり減ったりしているのかを調べるときに、化学工学の知識が使えることがあります。

 

逆に考えれば、物質収支の考え方に沿っていけば、イノベーティブなダイエット方法も見つかるかもしれませんよ。

 

さらに、物質収支の考え方は、カロリー消費について考えることにも応用できます。カロリーは、重さではなくエネルギーなので、物質収支の代わりに、「エネルギー収支 (energy balance)」と呼ばれる式を使います。エネルギー収支は、

 

エネルギーの時間内での変化量 = エネルギーの流入量 - エネルギーの流出量 + エネルギー源の生成量 - エネルギーの消費量

 

で表されます。ダイエットバージョンでは

 

時間内に体内に蓄えられるカロリー = 食べ物が持つカロリー - 排泄物に含まれるカロリー + 体の中で合成されるカロリー - 運動などで消費するカロリー

 

となります。この式を見てみると、

 

  • 摂取カロリーを抑える (エネルギーの流入量を小さくする)
  • 代謝を上げる (エネルギーの消費量を大きくする)

 

という方法でダイエットをすることは、有効と言えます。

 

もしかしたら将来、化学工学者の中から、次世代のダイエット方法を編み出す人が出てくるかもしれません。もしダイエットをされている方の中で、効果的なダイエット方法に出会えてないな〜、と思っている方がいたら、物質収支とエネルギー収支の考え方を使って、オリジナルの方法を編み出してみるのも面白いかもしれません

 

 

<注意>

今回の記事では、様々なことを簡略化しています。例えば、排泄物のうち、実際の大便には、食べたもののカスはあまり含まれておらず、ほとんどは水分や死んだ細胞、死んだ細菌であること、人間が合成する物質の全てが、栄養素であるわけではないこと、実際は脂肪だけでなく、筋肉なども必要に応じて分解され、消費されることなど、考慮していないことはたくさんあります。あくまで、化学工学の基礎的な知識を、できるだけわかりやすい形で伝えていきたい思いのもとに書かれていることを、ご理解いただければと思います。

 

 

 

 

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